天地わたるブログ

1951年2月長野県伊那市生れ。上智大卒。鷹同人(星辰賞・新葉賞受賞)「流星道場」など三つの句会の座長。 野山に食べ物を探す野生果実ハンター。

カッパ着て枇杷を捥ぐ

 

6月初旬は枇杷である。枇杷は桑の実ほど興味がないがあるので捥ぐ。西武国分寺線の恋ヶ窪駅近くの西武線の敷地と道路の境に枇杷の木があり、毎年、実をつけてくれる。捥ぐ人はほとんど居ない。競争がなく張り合いもないやつである。

きのう雨の中で40個ほどいただいた。3回捥いで合計120個ほどいただいたか。きのうがラスト。

 

頭の上に重たき枇杷と雨雲と

水分を含んでいるので重そう。空も雨で重そう。

 

両の手に枇杷山盛りやえびす顔

枇杷は捥ぎやすい。ひと房の枇杷は両手から零れるほど。重さが嬉しい。胡桃と似た成り方だが枇杷は柔らかく水気がある。

 

枇杷食ふや腹に溜まらぬかそけきを

天然ものは肥料をやらないのでそう甘くない。水分補給にはいいがいくら食べても満足感がすくないのは木通(アケビ)と一緒。

 

 

木暗がり枇杷散らかつて地を点す

自然に木から離脱して落ちたのは完熟していて新鮮。色もよく腐らないうちに食べるのがいい。

 

枇杷の房摑めばどどと雨落とす

東京は梅雨入りしたらしい。枇杷を捥ぐときいつも濡れる。木は雨をたくさん溜めている。

 

雨しづくごと枇杷食らふ雨の中

水っぽい枇杷を雨の中で食べる。晴天のほうがいいがむしったらすぐ食べるのである。

 

雨季に入る枇杷を食らひし水腹も

枇杷は水っぽいことの象徴。ビタミンCはあるだろうと食べるが水腹になる。おしっこが近くなる。

 

枇杷たわわ貧家ぞろぞろ子を成せり

枇杷の不良の年をあまり知らない。毎年、捥いでいる。枇杷を捥ぎながら貧乏なのに子供だけはどんどん生む愚かな夫婦をいつも思う。